9つのビットコインETF申請「再審査」、思案に暮れるSECの判断はいかに

ビットコインETF申請に対する判断を巡り、米連邦政府機関が行き戻りしている。

今年8月に9つのビットコインETF申請に対して「拒否判断」を下したSEC(米証券取引委員会)が、その再審査に関する意見書の提出を求めると、今月4日に発表した。

「再審査」はそこまで好材料ではない?

今回再審査の対象とされたのは、「NYSE Arca取引所」に上場を希望するProShares (プロシェアーズ)が申請した2つのビットコインETF。

また、同取引所に上場申請をしたDirexion(ディレクシオン)の5つのETF。

加えて、「Cboe BZC取引所」への上場を計画しているGraniteShares(グラナイトシェアーズ)の2つの、計9つのETF申請が対象となる。

かねてより多くの一般投資家は、これらのファンドの内どれかが証券取引所に上場するのではないかと期待を膨らませていたが、SECは8月に全ての申請を拒否した。

しかし、その判断が下された1日後、SEC委員長であるHester Peirce(へスター・ピアース)氏がこの判決を再吟味すると発表。

ファンドの製品が SECのガイドラインを満たしているかではなく、「特定の投資が個人投資家にとって適切であるかどうかについて判断するべきだ」と、同氏はSECの判断基準を批評した。

今回の「再審査」は年末までにビットコインETFの承認が下されるのではないかというFOMOを呼び込む一方、多くの専門家はビットコイン価格に影響するような好材料として見ておらず、SECによるETFの承認は来年以降になるのではないか、という意見を変えていない。

(*FOMOとは、Fear-of-missing-outの略。投資機会を見逃すことを恐れ、焦って投資する心理状態を意味する。)

ブロックチェーンや仮想通貨には「前向きな」姿勢を見せるSECだが、ビットコインETF承認に関しては慎重なようだ。

原典:Resurrection? SEC to Begin Reviewing 9 Rejected Bitcoin ETFs

ここまでの内容と考察

SECが今年8月に拒否判断を下した9つのビットコインETF申請の再審査をすると発表したという、今回のニュース。

機関投資家による仮想通貨投資を促進するため、ビットコイン価格にも大きく影響すると言われているビットコインETFですが、SECはそう簡単には許可を下しません。

仮に、それが承認されたとしても、その後何か大きな問題が起きれば、ビットコインETFが再度許可されるという可能性はとても低くなる、という見解もあり、やはり判断は急がない方がいいのかもしれませんね。

ちなみにですが、米弁護士の立場から仮想通貨に肯定的な発言を続けているJake Chervinsky(ジェイク・チェルビンスキー)氏は、今回のSECによる再審査は過去の「非承認判断に変化させるものではないと記述してある」、とコメントしています。

今年中にビットコインETF申請が許可されることはないという専門家からの見解が多い中、SECはどのような判断を下すのでしょうか?

憶測が憶測を呼ぶ中、今後もSECの判断基準やその影響に注目していきたいですね。